KIRITO Tour2006 EXISTENCE PROOF
in 大宮ソニックシティ

久しぶりの大宮駅。
バスが一時間の到着の遅れ。
ポスター探しをしたかったところを、急ぎ足で会場に向かう。

二階席のほぼ4列目。真ん中の通路側。ど真ん中。
ただ、照明があまりにも綺麗で、
光のカーテンを全身に浴びたかったから、一階席で見たかったなぁとか。


緊張に包まれる会場。
それとも緊張していたのは私の胸の奥だけなの?
ただ、SEが流れはじめ、照明がつき、何かがぷつんと切れた。

TAKEOを呼ぶ歓声がなぜか切なく感じてしまった。

最初3曲あたりはずっと攻め。
光も尖っていて、どれも原色に近い、むしろ蛍光色を含んでいた。
トリビュートアルバムは持っていなく、
今年のキリトライヴは初参戦な私は、一曲目から知らない曲だった。
それでも、キリトはキリトで、あの雨の日以来に見る姿で、
懐かしさと共に、今まで溜まっていた哀しさも溢れてきた。

知らない曲でも、暴れてしまうのが、鉄則、なのかしら。
ちなみに一曲目はデスノのやつに入っているGARDENらしいのだけれど、
あっという間に終わってしまった。
いや、この曲だけじゃなくって、この日自体があっという間だった。
アルバム&シングルに入ってない曲は全て知らない曲だったのだけれども、
なかでも中盤にやった、知らない曲の三曲目、TORQUEがかなり良くって。
他の曲よりもズバ抜けて、私の壺に吸い込まれていった。

二曲目、PASTは少し暗みがかかっていて、
その中で足をあげて、リズムを取るキリトさんが、
かなりかっこ良かった。いや、かっこよくはないな可愛かった。
男性に対して、かわいいという言葉を使うのは好きじゃないのだけれども、
あの姿はね、やばかったんじゃないの。

終始、もうほとんど何も考えてなかったよなぁ。
ただただ、彼の創り出す音に触れたい気持ちと、
世界にのめり込みたい気持ちと、波に乗りたい気持ちと・・・
そして、あの日の事が頭の中で廻っていた。

不思議な世界だった。
絞首刑のための台があり、紐が二本垂れ下がっていて。
どこかへとあがる階段。
途中で上に顔がある彫刻(?)みたいなのがあるのに気付きびっくりしたり。

キリトさんの創り出す、彼自身の影が好き。
片手だけあがっていたり、片足だけあがっていたり(笑)
両手を広げている姿が一番好きなのだけれども。
ステージの両側を大きなスクリーンみたいに錯角し、
そこに映った大きな影は無気味だった。
すごく小さくも感じるのだけれども、やっぱり大きくって。
人そのものが小さい大きいよりも、器が違うんだろうなって。

今までTAKEOさんをよく観たことが正直なくって、不思議だった。
(ちなみに今まではキリトさん→ギター隊→KOHTA、TAKEOっていう感じだったから)
今回は、周りを見渡して、まず目に入るのがTAKEOさんで、それが嫌だった。
彼も彼で、変わらず、というか、当たり前なのだけれども、
叩き方とか、TAKEOさんはTAKEOさんでじーんときた。

PASTか何かで跪いて祈っている姿をしていたキリトさんが印象的。

前半を通してみたときに、やっぱりずっと攻めな感じで、
相変わらず、キチガイトーク炸裂で、
それを見ながら唄っているキリトさんも嬉しそうだった。
「恥ずかしがるのは、禁止。何をしてもOKです。
ただ常識の範囲内でお願いします」
「お前達のドロドロしたものをここで曝け出せ、全部俺が受け止めてやる」
DECIDEのヘドバン、そしてフリが好き。
あの雨はやっぱり日比谷の雨のことみたいで、
・・・ああ、言葉が詰まってしまったよ。

後半、誰もいない丘あたりからはすごくしんみり。
まさに静と動。
曲が終わったときに、誰も叫ばず、
再生の朝のあとでは拍手が起きた。
今まで「Thank you」とちょっとかっこつけた感じで唄い終わると言っていたのに、
「ありがとう」とあの時に言ったのが印象的。

そして続くHamelnの前にはこんなMCが。
「大宮のチンピラが今はこんなに立派になりました。
小さい頃、自分に何が出来るのか分からなくて、人一倍に未来を探しました。
そうして、大切なタカラモノも見つけました。
多くの人の前でステージで唄うことを見つけました。
決してうまくはないのだけれど、俺が一生懸命に唄うと多くの人がついてきてくれる。
しかし、そのタカラモノはつい最近きれいな形で消えてしまいました。
俺の大切なタカラモノは消えてしまったけれど、今でも大切なタカラモノです。
また仲間を集めて素敵な未来をつくります。
大事なことは一つだけ、それは諦めないことです。
だからまた笛を吹きます。」
そして、DOOREXITと続き、
こうやって聞いていると不思議にも、
今までの流れ全てが彼の大切なタカラモノが歩んできた軌跡、
彼のタカラモノに対する、今の想い、そういうものに、全て繋がっている気がしてきてしまう。
アルバムHamelnなんて、一年前の作品なのにね。

ただ、キリトさん自身も言っていたように、
これまでの十数年のPIERROTはやっぱりキリトさんで、
なくなってしまっても、これまでのことは決して無駄じゃなくって、
今現に、彼のために大宮がいっぱいになるくらいの人が集まってきていて。
0からのスタートというわけじゃなくって。
そして、多くの人がキリトさんの事を支えているんだと。
そして、反対に私達は支えてもらってもいる。
「これからを進んでいくのに、みなさんの力が必要です。
これからも力をください。そしてお金もください。」
しんみりしていたところで笑いに変わり、オチをつけないと恥ずかしいみたいに話していた。

「序盤はキチガイのように頭を振ってこっちの鼓膜が破れるんじゃないかと思うほど叫んで、
(鼓膜が破れる〜のリアクションが可愛かった。)
じっくり歌っている時は静かに、そして真剣に聴いていて、
みんなが昨日今日ファンになったのではないということはよく知っています
君達は本当に優秀なファンです」
ただ、静かに聴くのも限界だろう?という話になり、
みんなで満面な笑顔でHAPPYになろうというふうに・・・Ray
テカッている顔、大好き!発言もあったね。笑

「今年は色々ありました。
嫌な涙を大切な君達に流させたりもう2度と流させないと、そうキリトが約束します、TEAR
この日の本編最後に聴いて、好き度が急激にあがってしまったよ。


アンコールという声は以前と変わらずに響いている。
変わりようもない、のだけれどもね。

アンコールはColdTHE SUN、そして二度目のDECIDE
メンバーはTシャツに着替えていて、
キリトさんだけ、袖がやったら長い服装をしていました。
この服装については聞いていたのだけれども、
実際に見て、やたらめろめろ。

メンバーの紹介も入る。
「みんなご存知、みんな大好きTAKEO!」
本当にね、改めて大好きと思いましたよ、彼。
そして、クールぶっているけれど、声援を受けて実は嬉しい、というようなフジマキさん。
さりげに注目していた、松田さん。
「最近、女の子に人気ですけれど、みんな本性を知らないからです」
松田さんが、前の方に出てきたときの独特のステップ?弾き方?が素敵。
TORUxxxさんについてはあんまり憶えてないなぁ。
そして自分自身について、
「人呼んでキリト、村田信也です。村田家の長男です」
と、お辞儀をして、あんまり大宮で村田村田と言いたくないのに、また言ってしまった、と。
村田家長男とか言うから、次男も出てくる?!と少し期待してしまったけれど、
期待した私が馬鹿でした。
やっぱり、仙台(だっけ?)のみのサプライズなのねぇ。
「お父さん、お母さん、息子は頑張っています。」
みたいなことも。笑
それから、途中でローディーの方?がギターを持ってきたりしていたのだけれども、
「乳首が性感帯の加藤です」という紹介が。
ギターを渡して舞台の袖へ向かう加藤さんを、
しつこく「乳首!乳首!」といって追いかけるキリトさん(笑)

DECIDEの前では「決して曲がなくなったわけではなく、
この曲は今の決意が入った大切な曲だから、
もう一度みんなで唄いたいと思います」
という風に話していました。
今回のツアーの、きっと核なる部分だよね。
ただ、その後のMCで「朝までやっていたい」
みたいに言っていて、
曲がないから10周くらいしないといけないけれど、だとさ。
一回、朝までオールナイトとかやってほしいわぁ。

一回目のアンコールが終わり、メンバーが退場し、
遠すぎるんじゃない?ってくらいにTAKEOさんが舞台袖に入りそうなところで、
キリトさんは何食わぬ顔で客席を見ていたから、
噂のあれは見れないのか!と思っていたら、
TAKEOさんの足元をめがけて、スライディング?
いや、ちょっとジャンプも入っていた気もしたし?ダイブ?!
足を掴まれて、こけるTAKEOさん、そしてつられてこけるキリト。
二人してこけて何をやっているんだか・・・ていう感じ。
マイクの前に連れてこられたTAKEOさん、
「お前ら最っっっ高!」

二回目のアンコール。いよいよ心の準備、かしら。
「元気ですか?暑いですね〜
暑い陽射しには帽子はどうですか?
メッシュもあって、風通し良いですよ。
手首にも汗かきますよね。
リストバンドはどうですか?
包帯をした上からとかでもかっこいいですよ」
と、ツアーグッズの宣伝が始まる。笑
宣伝が終わってから、後ろの水が置いてあるところに行き、
帽子を取って、頭をふるふるする姿(帽子でへこんだ髪をなおす感じ)
その姿が可愛かった。爆

一通り宣伝が終わってから、
「今の感謝の気持ちをこれから先の行いで示していきます」と。
彼がやることを見て、目に焼き付けて、何か感じて下さい、と。
「ついてきてもいいし、ついてこなくてもいいし、
キリトだせぇと思ったら、ゆずとかにいってもらってもかまいません(会場:爆笑)
ただ、これからも、キリトやるなぁ、とニヤッとさせるようなことをしていきます」
「まずは9月31日、10月1日のシンフォニックコンサートが決まりました。
オーケストラの人達って真面目に勉強して、音大とか出ている人なんでしょ?
・・・よく知らないけれど。俺は高校中退ですから。
オーケストラがこんな俺とコラボレーション、
皮肉なコラボですね。これが現実です。」
「そして冬には連ドラの主演が決まりました」(会場:半信半疑)
「内容はラブコメディー。共演は妻夫木聡。」(だんだん信じ始める)


「・・・・・嘘です!」

そして、このあたりでまた「乳首〜!ちくび!」と加藤さん呼ばれる。
ギターを渡されるキリトさん、一人でステージに立っていたのだけれども、
「自分で決めたのはいいけれど、やっぱりこの瞬間は慣れないですね。
(横に垂れ下がっていた、首吊りの紐を横目に)一人公開処刑みたいな。」
サポートだとしても、バンドみたいなものだから、
後ろにいるかいないかで全然違うって。
そして、「一人でやっている人はすごいですね」という話に。
ゆずの名前を出したときに、固有名詞をあんまり出すとまずい、と言った割には・・・
「さだまさしとか、長渕剛とか、矢沢永吉とか。
ギターやって、唄って、これでしょ?(ハーモニカを吹く真似)
今34で、あと6年で40、そして10年経って50。
年をとっても素敵なミュージシャンでいたい。
矢沢、長渕、キリト、みたいに。」

「こういう事を言うのは今回が最後です」
という風に、PIERROTの話に触れはじめる。
「嫌な事は隠しても胡散臭いから、自分から言っていく人なので。」
「まだ少ししか時間が経ってないから、みんなの心にまだあると思うけれど、
心の中にあるPIERROTという素晴らしいバンドをずっと大切にしていてください。
俺の大切なタカラモノだから。
ここにいる人達、来れなかった人達、
この場にいない人達、今まで俺が関わってきた人達全てに、
届くかどうかは分からないけれど、この唄が届きますように。
今、俺は誰も憎んでなんかいません。だから誤解しないで下さい。
今まで関わってきた人達全てが大切な人です。
PIERROTという我儘で、最後まで我儘を貫いたバンドのカバー曲を唄いたいと思います。
大切な仲間に届きますように・・・CHILD

今まで溜めていたものを、ここで出していいよ、と言っているようだった。
キリトさん自身、泣いているようにも感じられた。
あの場に居たみんなで唄った。
どこからか、コーラスの声や、ギターの音が聴こえてきた気がした。

I'm here...
今まで彼が築いてきたものは、突然終わりを遂げたけれど、
キリトというアーティストは変わらずにそこに居た。
EXISTENCE PROOF・・・存在証拠
そのツアータイトルの下、
全ての曲が、全てのストーリーが、
彼のタカラモノとの離別を惜しみ、これからどう歩いていくか、
そのことについて語っていた気がした。

CHILDが終わり、全ての電気が点き、
何回も何回も深々とお辞儀をするキリト。
心からの感謝を表した歓声はずっと続き、
お辞儀が長ければ長いほど、歓声も大きくなる。

これからもずっとついて行く。
そして、私はそう心に決めた。

強く響け僕の歌声よ行き場を無くした君のもと、届くように
そしてまた新しい命を産み落としていて
このホシが諦めるまで


GARDEN
PAST
カンナビス
sea
PLOT
INTER CUTTER
Suicide view
DECIDE
TORQUE
WINDING DREAM
Awaking bud
誰もいない丘
再生の朝
Hameln
DOOR
EXIT
Ray
TEAR
~encore1~
Cold
THE SUN
DECIDE
~encore2~
CHILD