PARADOXという分岐点から、
「HEAVEN」「PRIVATE ENEMY」「FINALE」と歴史を遡り、
最後は今現在「Hameln」に戻り、
キリトという一アーティストの軌跡を描く。
確か、そんなコンセプトだった気がするのだけれど、
それ以上のものがあったと思う。
一人でバンドの解散ライヴを行ってしまった感覚。
そしてバックがオーケストラなのに、前からこういう曲だったんだという錯覚。
演奏している曲たちがPIERROTの曲であることを忘れさせてしまうくらい。
後ろが壮大なぶん、キリト氏がいつも以上に小さく思えた。
そして、きかせるものばかりだったからか、
いつも以上に丁寧に大切に唄を歌っていた気がした。
PIERROT編では、スクリーンが用意され、
そこに映し出された映像はとても綺麗だった。
一つ一つのストーリーにそぐう映像。
壊れていくこの世界で映し出された、真っ赤な一輪の小さな花がとても鮮やかだった。
ICAROSSでは灼熱の太陽、そして翼を得て飛んでいってしまうみたい。
とにかく、どれもこれも綺麗なものばかりで、
プラエネ辺りは暗闇の奥に生きている感じだったけれど、
世界の終わりはこんな風に綺麗な風景なのかな、
って思いながらずっと観ていた。
THE FIRST CRY IN HADES(GUILTY)では、赤に緑に・・・
ただバックがオーケストラってだけで、禍々しいような雰囲気は変わらずに。
キリト氏の本来の姿?も発揮され、
しゃがみ込んでぐらぐらゆれていたり、言葉どおりの動きをしたり、
やっぱり彼は最高の表現者だよ。
この日一番以外だったWaltz。
そして、以外だったから余計に一番良かった気がしたWaltz。
コンマスの方の演奏もすごく良かったし(Waltzに限らずだけれども)。
懐かしいような感じがする動き、
♪芝居じみた〜で手を合わせる動き。
かなり一緒に動きたいのですけれど!!
そう、今回のコンサート、座ってゆったり聴く感じのものでした。
「キリトーーー」というコールも特になく、曲のあとはきまって拍手。
手が痛くなったくらい。
拍手といえば、GUILTYのあとだけ一切なかった。
CDと同じように気味悪い余韻が暫く続いたのだけれど、
CREATUREにそのまま続いていきそうな雰囲気もして、誰も拍手しなかった。
CREATURE・・・聴きたかったけれど、なくて良かったかも。笑
オーケストラをバックに唄うということはとてもやりにくそうだなぁと思いつつみていたら、
パウダースノウで、タイミングがずれたのか、歌詞を間違えたのか、
2番あたりで、一時修復不能な状態に。
それは余計に、頑張って!ってすごく感情移入してしまう原因ともなったり。
「今日を最後にPIERROTの曲は二度と唄う事がありません。
これが最後なので、唄いたい人は一緒になって唄ってください。
あの人達に届くように、CHILD」
会場に聴こえるのはすすり泣き。むしろ号泣。
本当にこれが最後に、PIERROTの曲が封印聴けないかと思うと哀しいよ。
もっと、この目でたくさん観ておきたかった。そう嘆きたい。
気がついたら全員総立ちになって、唄われたあのメロディー。
本当に綺麗で、そして切なく響いていた。
私が行った、大宮ライヴでも最後に唄ったCHILD
同じ曲のはずなのに、また違って、感じたね。
大宮の時では、一番最後になって、過去に触れて唄ったのと反対に、
今回では、本当に最後。離別。
けれど、上手くいえないのだけれど、Hamlenからキリトの活動Angeloへと、
次に続いていく道がはっきりと、CHILDの後で観ることができて、
本当に大きな大切な一歩となったと思う。
「皆さん総立ちですごいですね。その方が僕にとって見慣れた光景ですが。
初めましての方もいるかもしれないと思うので、自己紹介からはじめます。キリトです。
この年の四月に、僕が人生の3分の一をかけて守ってきたバンドが突然なくなりました。
2006年は他にもたくさんのことがあった年でした」
そして、5月にあったソロライヴの話になる。
バンドが解散してから、そんなに時間が経ってなくって、
罵声を浴びさせられたら、ステージに立ったら皆が号泣していたら、
などと、ステージに立つのがとても怖くって。
でも実際にその時がきたら、みんなすごい笑顔で僕の事を迎えてくれて、
みんなは僕よりもすごく強くって励まされた、みたいなことを。
けれども、そうは言ってもキリトさんの方が何倍も強く感じてしまう。
いつも励まされてばっかりで、ほんとに。
「僕が笛を吹いたら、それがどんなに下手くそな唄でもみんなが集まってくれる。
そういうことに気がつきました。
ふと、自分はなんで唄を歌っているのだろうと疑問に思うこともありましたが、
これからも、誰か一人でも僕の唄を聴いてくれる人がいる限り、
唄を歌い続けていこうとおもいます。Hameln」
そしてアルバムHamlenからの舞台が始まる。
誰もいない丘は、ピアノがメインとなってとっても美しかった。
そして、ここら辺でうっとりしすぎて眠くなってしまったり。爆
PIERROT編では黒い手袋をしていたのだが、
Hameln編ではしていなかった(DOORで気付く)
PIERROT時代の独裁者の皮を脱ぎ、
ソロになって、もっと自分を曝け出していることの表れだったのかしら。
「僕はこう見えて凄いシャイなんです。
目立つのが、何かの中心にいるのが嫌いなのです。
ただ、こうやってみんなが座って僕のことを凝視していると、
だんだん気持ちよくなってきました。
もともとMっ気が強いので。
みなさん、もっと僕のことを凝視して、そして蔑んでください。
・・・・神聖な場所ですみません。
このオーケストラの話は結構前からありました。
バンドのライヴの方に、いくろうさんと読売新聞の広報の変な人が何回も足を運んでくれて、
『君が絶対にシンフォニックコンサートをやるべきだ』と言うのです。
僕よりも唄が上手い人なんていっぱいいるし、
なんで僕が〜と思い、初めはお断りをしたのですね。
けれども、あまりにもしつこく誘ってくるので、
じゃあやってみるか、ということでやることになりました。
昨日、今日とやってみて、本当にいい経験をさせてもらったと思います。
それに君達(お客さん)にとってもいい経験となったでしょ?
ここで一つ区切りをつけて、前に進んでいきたいと思います。PERIOD」
CDで聴いたものよりも何倍もよかった気がした。
確かこの曲のときに、ライトが光のカーテンみたいに舞台を端から端まで照らしていて、
それがPERIODという曲にとっても相応しかった。
キリトさんもとても気持ちよさげに歌っていて、
これから、が本当に楽しみになってきた。
「僕は分かりにくい歌をよく創ります。
特に歌詞に関して、分かりにくいってよく言われるのですが、
そこには一つの意味だけじゃなくって、色んな意味が含まれていて、
ただ、僕の想いがたくさん詰まっていることは確かです。
少し変人じみたものもあるかもしれませんが。
次の曲で最後なのですが、この曲を創った時にはバンドがなくなるなんて想ってもいませんでした。
想ってはいなかったのですが、きっと不安をどこかに抱えていて、
それが歌詞に表れて、そして現実となってしまったのだと思います。
CDを持っている人は、帰ってからじっくりと読んでみてください。
これから聴くときも、歌詞をよく聴いてください。
僕は何一つ諦めもしないし、捨て去る気もありません。諦めが悪いです。
みんなが望む景色と、僕がこれからみせる景色はきっと同じです。EXIT」
本当に、言葉に表せないくらいよかった。
こちらもPERIOD同様、CDで聴くのの何倍も良かった。
これからみせる景色、それはきっとPIERROTではなくって、
Angeloとしてのもの、そんな気はするのだけれど、
これからもついていきたい、っていうことにかわりはないね。
アンコールの時には、全員総立ちでお馴染みのアンコールコール。
懐かしいような感じと、今までで一番すごかったコールな気がした。
アンコールでは、バンドメンバーが登場してのDECIDE!
「僕のへんてこりんな音楽を、
それは楽譜にするともっとややこしくなるのですが。
それを素敵に演奏してくれた、藤原さんと東京ニューシティ管弦楽団のみなさんに大きな拍手を!
ただ、それだけでは、みんなも何か物足りないと思うので、
僕のもっと身近な仲間を呼んでいます!」
〜メンバーコール〜
素敵な演奏のおかえしに、僕の新たな仲間・・・と呼ばせてもらいます、
藤原さんと東京ニューシティ管弦楽団のみなさんに、
こちらの得意分野を聞かせてあげましょう!
この方々は普段レベルの高い音楽をやっていて、
僕らみたいに勢いでドーン!バーン!って(とにかく面白い擬音語だった)
やっているロックとは違う世界にいる方々なのですが、
ロックとこういう音楽と融合させることに意味があるのです。
きっと、これから君達が引き起こす行動にきっとビックリするかと思いますが、
お前ら、暴れちまえ!!DECIDE!!!」
勿論、ヘドバン。拳振り上げる。
やっぱり、この雰囲気でしょーって、
今までたまっていたウズウズが一気に放出。
バンドサウンドに、オーケストラの音がまた綺麗に重なって。
それがとっても良かった。たぶん。
最後の最後でガツンときましたね。キリトさん最高だよ。大好きだよ。
HEAVENから始まって、新しい生命を意味するようなBIRTHDAY。
そしてそれはGUILTY、そしてNOT GUILTYへ。
特にPRIVATE ENEMYというストーリーはPIERROTというバケモノの根本的な生き方、
みたいなものだったように感じる。
そしてCHILDという一つの大切な曲によってFINALEを迎えた。
ただ・・・CDでもそうなのだけれど、
物語は終わったかのようにみせかけて、実は終わっていなく、続くNewborn Baby
当時は恐らく、次の物語の暗示だったかのように思うのだけれども、
今の流れからいうNewborn Babyはキリトという一人の人間から、また新たに生まれた、
Angelo〜The creture was reborn out of hades〜を意味している気がしてならない。
「いつの時代も一人悪魔を存在させる」
HEAVEN
新月
壊れていくこの世界で
BIRTH DAY
Waltz
THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)
パウダースノウ
THE LAST CRY IN HADES (NOT GUILTY)
FINALE
ICAROSS
ラストレター
CHILD
Hameln
DOOR
再生の朝
誰もいない丘
PERIOD
EXIT
~encore~
DECIDE